ニッチなblender手記

世の中には自分に似た人が3人いるとされています。その人達へと情報共有するために主にblenderの記事を書いていきます。

loose usage about The Grove (Shade)

概要

ここでは The Grove アドオンの Shade 機能に絞って記述する。

The Grobe アドオンは木の成長を計算するために独自のレイトレース機能を搭載して利用している。
この機能があったため Flow の escape shade では周囲にオブジェクトを配した際に成長が阻まれるなど、 blender の光源とは別の仕様で光源処理を行っていたことが分かった。

設定パネルの並びとしては かなり下になるが、 Drop の説明の前提になっている部分でもあるため先に調べた。

参考

THE GROVE - Prune

Science Direct - Phyllotaxis

利用環境

注意点

この機能は The Grove のレイトレース計算量に大きく影響を与える。

陰 ( Shade )

先に結論だけ記載する。

  • Leaf Area: The Grove が利用している例とレースシステムで、レイを遮るエリアのサイズを指定する。 Leaf Area となっているのが、シャドウエリアが Twigs ( = Leaf) の領域とほぼ同一になるためである。
  • Samples: The Grove 内臓レイトレースのサンプル数。数値を下げると精度が下がるので通常の成長モデルとは異なるパターンで生育する木が発生する他、葉のつきが悪くなる。普通に使う場合はデフォルト値での利用を推奨

冒頭に記載したとおり、 The Grove は木を成長させる際に独自のレイトレース機能を用いている。
このレイトレース機能で陰 (Shade) と判断されたエリアが Leaf Area を表示することで確認できる。

デフォルトでは off になっているので注意。

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上図のように Leaf Area を表示させると灰色の板ポリが枝の端にくっついていることが分かる。
陰の位置はほぼ twigs の位置と重なるため、twigs の発生位置を確認するのにも利用できる。

この板ポリのサイズは (10 * 10) times Leaf Area という計算になっているので、 Leaf Area の値で影と判断される範囲は上下する。
そして、このサイズを増減することは木に当たる日照量を変えることになり木の成長にも影響を与える。
下図が Leaf Area だけを変更した場合の結果となる。

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Leaf Area の大小が発育に影響を与えていることがわかる。
値が小さければシャドウエリアも小さくなるため、木が光合成をするためにより大量の葉をつける。
反面、値を大きくすると光が当たらないと判断するため葉をつける枝の数そのものが減少している。
また、過度に大きくすると生育自体が阻害された。


次に Samples というパラメータが存在する。
これは phyllotaxis distribution という分布パターンを利用したもので、ヒマワリの種のつきかたや松ぼっくりのカサのできかたでも利用されているパターンを利用したものとなっている。
このパターンに従ってレイのサンプリング位置が決まっているとだけ知っておけばいい。

下図にある木の根元部分に小さな点が球状に散布されているが、これがレイのサンプルを表示したものとなっている。

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Samples の値は Cycles におけるレイトレースのサンプル数設定と同じといえる。
値を上げるとより正確に計算し、サンプル数を下げると正確さが下がりランダム性が上がる。

下図がその差異の結果となる。
確認する際は、木の根元にあるレイのサンプル数にも注目してほしい。

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レイのサンプル数が減ることでレイトレースの正確さが失われて、発育が自然モデルとは異なるものとなっていく。
また、過度にサンプル数を減らすと周囲に光がないと判断するのか枝葉の数も減少する傾向にある。 数値を上げることで枝葉の数が増加傾向にあるが、それ以外のあまり効果は見込めなかった。基本的にデフォルト設定の 64 で運用すればいいのではないかと思う。