ニッチなblender手記

世の中には自分に似た人が3人いるとされています。その人達へと情報共有するために主にblenderの記事を書いていきます。

loose install about Sverchok in windows10

本題

結構アドオンとしてはすごいんだけど、blenderしか触らない人にはインストールが難しくて最初で挫折しかねない。

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ここでは、使い方ではなく、Windows上での Sverchok のインストール方法を記載する。

lilnux とか Mac を使っている人は普段からコンソール使ってるし説明いらないだろの精神

Sverchokとは

パラメトリックモデリングしたりできるすんごいアドオン。
パラメトリックと聞くと分かりにくいかもしれないが、 blender上のモデリング操作をほぼ全てノードだけでできる と言い換えるとなんとなく分かるかもしれない。

分かる人には animation node のモデリング版と言えば分かるだろうか?

利用したソフトウェア

win64blender portable version:2.9.0.1

Sverchok:0.6.0.0

FreeCAD:PY3.7-win

参照

Github - Sverchok

Doc - Sverchok

Github - FreeCAD

手順

先に詳細を無視して結論だけ記載する

手順まとめ

  • blender portable version を windows上に解凍し、利用可能な状態にしておく
  • github から Sverchok の圧縮ファイルをダウンロードする
    • git使い慣れている人はgitをつかってクローンしてもいいが、ここではそういうのが苦手な人でもできる方法を対象とする
  • blender に Sverchok をアドオンとしてインストールする
  • Sverchok のための python 環境設定
    • windowsのコンソール画面でpythonの操作を行い、Sverchok が利用するソフトを blenderが利用しているpython へインストールする
  • freeCADをダウンロード、圧縮ファイルの解凍
  • blenderへインストールした Sverchok のアドオン設定画面で、 freeCAD へのパスを通す

うん、分かりにくいね

手順(イージーモード)

上の説明だけ見て分かる人はそもそもこんなこと調べないので、手順を追いながら説明していく。

blender portable version を windows上に解凍し、利用可能な状態にしておく

流石にこれは説明しなくてもいいと思うので割愛。

github から Sverchok の圧縮ファイルをダウンロードする

Github - Sverchok から、アドオンの圧縮ファイルをダウンロードする

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blender に Sverchok をアドオンとしてインストールする

ダウンロードしたファイルを blender のアドオン画面からインストールする。
これもまあ割愛できると思うので割愛。

Sverchok のための python 環境設定

github - Sverchok installation

上を読んで分かる人はそれでOK。以降は上の説明が分からない人向け。

blenderのポータブル版は、 blenderフォルダの中に python 環境もセットで入っている。

C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python という感じ

パーソナル版のblenderを利用する場合は、このblenderフォルダ内にあるpythonの環境を設定する必要がある。
そして、pythonをあまり知らない人にはこのpythonへの設定が一番のネックとなるので、ここからはそれを記述する。

python 触ったことある人なら、pyenvとか使いたいとか思うかもしれない

まず、windows のコンソール画面を開く。

分からない人は windows コマンドプロンプト とか windows powershell とかでググると出てくる

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Install pip

pip という、pythonでいうアドオン機能をインストールしてくれたりする機能をまずはインストールする。

コンソール画面で ポータブル版 blender をインストールしたパス を指定して、インストールコマンドを実行する。

/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m ensurepip
/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install --upgrade pip setuptools wheel

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m ensurepip
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install --upgrade pip setuptools wheel

これで pip のインストールが完了する。

この時、 下図のようなエラーが環境によっては発生する。

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このエラーの原因は、既に古いバージョンの pip がインストールされているが、最新版に更新できなかったために発生する。
この問題を解決するには、やはりまず古いバージョンを削除して、最新バージョンをクリーンインストールする必要がある。

/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe  -m pip uninstall pip
/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe  -m ensurepip
/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe  -m pip install -U pip

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe  -m pip uninstall pip
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe  -m ensurepip
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe  -m pip install -U pip

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Install SciPy

次に SciPy という python で数学や物理でよく使う計算をしやすくするためのライブラリをインストールする。

/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install -U scipy

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install -U scipy
Install SciKit-Image

次に SciKit-Image という画像処理ライブラリをインストールする。

/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install -U scikit-image

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install -U scikit-image

ここでも、インストール時にpythonがエラーを表示することがある。

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これは既にインストールされている Pillow というライブラリが古いバージョンなので、最新版を要求する警告。
警告に従って、最新版を入れなおせばOK。

/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install -U scikit-image

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install -U scikit-image

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Install Circlify

次に Circlify という円の計算、描画ライブラリをインストールする。

# バージョン指定してインストール。バージョンは警告で指定されたバージョンを記述する
/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install Pillow==6.2.0

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install Pillow==6.2.0
Install PyMCubes

次に PyMCubes というマーチングキューブ法に必要なライブラリをいインストールする。

# まずはCythonというpython上でC言語を実行するためのライブラリをインストールする
# これを実行するとコンソール画面に Warning が表示されるが、このワーニングはPATH変数に設定しろという内容うなので、無視してかまわない
/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install -U Cython

# PyMCubesのインストール
/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install -U PyMCubes

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install -U Cython
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install -U PyMCubes
Install Geomdl

次に Geomdl という python で NURBSやスプラインを利用するためのライブラリをインストールする。

Sverchok のドキュメントには2つのインストールコマンドが記載されているが、ここでは処理速度が速くなるように Cython を使って処理するインストール方法を選択した。

/ポータブル版blenderのroot/2.xx/python/bin/python.exe -m pip install geomdl --install-option="--use-cython"

# 例
# C:\work\blender-2.90.1-windows64\2.90\python\bin\python.exe -m pip install geomdl --install-option="--use-cython"

ここまでできればblender が使う python の環境セットアップは完了した

freeCADをダウンロード、圧縮ファイルの解凍

FreeCAD - Win Py3.7 packaging experiments から conda-0.18.3.7z をダウンロード。

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ダウンロードが終わったら、圧縮ファイルを解凍する。
bin/FreeCAD.exe があることを確認する。

Install FreeCAD py3lib

blender の Sverchok アドオン画面で、 ダウンロードした FreeCAD のexeファイルがある場所を指定して、 Set Path ボタンを押下する。

その後blenderを再起動すると blender 起動時に Sverchok の初期化処理も実行されて、晴れて Sverchok を利用可能となる。

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